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シンガポールvsマレーシア
皆さんは、次の文章の空欄にどのような言葉を入れますか?
1 シンガポールといえば、「 」。
2 マレーシアといえば、 「 」。
1,000人を対象としたアンケートによると、1の答えの殆ど(50.3%)がマーライオンで、2位の答え(きれい)の8%を大きく上回りました。 対して、2の答えの1位は、なんと、特にない…。シンガポールはとても小さな国で熊本県の1/10ほどしかありませんし、資源も少なければ世界遺産もひとつだけ。このないない尽くしのシンガポールですが、観光に行くとしたらどちらに行きたいかというアンケートでは、5割の方がシンガポール、次いで特にない、マレーシアと答えた人はわずか16%程度という寂しい結果でした。 この結果は、マーライオンというひとつのシンボルによるところが大きいでしょう。1年間の観光客数では、シンガポールは複数の世界遺産やきれいなビーチリゾート、面積が500倍あるマレーシアを上回っています。あれもこれもではなく、ひとつだけ有名なシンボルがあるほうがイメージがわき、親近感を覚えるのでしょう。だって、マーライオンも近くで見ると大したことありません(笑)
シンボルの効果
小さな企業が大きな企業若しくは同業他社に勝っていくために、このシンガポールの事例が参考になります。企業が独自の個性を発信し、他社よりも消費者に選ばれるためには、核(シンボル)となる商品があるということは有効です。 品揃えは沢山あるのだけれども、平均的で個性がない。あるいはあまり知られていない、よりもA社といえば、●●!という商品があるかどうか。 洋菓子店でいえば、あそこのチーズケーキは絶品!! あそこはネギラーメンが看板商品!! 羊羹といえば、虎屋!! 例えが、食べ物ばかりになってしまいましたが…。 つまりは、あれもこれもそこそこの商品がある店や企業は、あまり流行っていないし、ブランド力のある企業にはなっていません。
シンボルになるためには。
商品にシンボル性を持たせるために、次を参考にしてください。ひとつめは、価値があるか。消費者の欲求を満たす価値が感じられるということです。ふたつめは、独自性があるか。他社の類似商品とやはり一線を画している必要があります。最後に、優位性です。専門性や技術など自社の強みを基盤にした商品であることが求められます。
シンボル商品があることのメリット
1 シンボルが企業の個性を消費者に発信してくれる=イメージしやすい。 2 ある商品(シンボル)が優れていれば、別の商品も優れていると思われやすい。これは、企業イメージを高める効果もあるでしょう。 3 シンボル商品が尖っていれば、消費者を引き寄せ、他の商品の購買へも繋がっていく 4 シンボル商品の技術が高まることで、引きずられて他の商品の技術も向上していく。 5 競合他社に優位に立つシンボル商品を用意していると、働く社員の士気も高まっていきます。 他社と商品が同質化してしまうと、最終的には価格での競争になってしまいます。価格競争になれば、小さな企業は大きな企業に太刀打ちできません。ぜひ、小さな企業(にかかわらず)は自社にシンボル商品があるか再確認をしてみませんか。
参考図書/小が大を超えるマーケティングの法則(日本経済新聞出版社)