遠交近攻

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nitta

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遠交近攻

遠交近攻。兵法三十六計の言葉です。文字通り、遠方の国と同盟して近隣の国を責める策略のことです。近くの敵を飛び越えて遠くの敵を責めることの愚策を戒めています。 遠くの領土を攻めると労力がかかる割には成果が少なく、仮に遠くの領土を手に入れたとしても近くがおろそかになり、折角手に入れた遠方の領土を手放すことになりかねません。攻めるときは近隣諸国から。徐々に勢力圏を拡大し、少ない労力で多くの成果を上げることが可能とされています。

 

地域戦略

企業経営を行う場合でも、どこの地域をターゲットとして設定するかは重要です。経営資源が限られているにもかかわらず、遠方まで手を広げては業績の悪化につながりかねません。どこで(地域)、何を(商品)、誰に(客層)販売するかを設定することは、経営の構成要素のうち全体の57%を占めます。 さらにこの3つには、それぞれ業績に影響を与える重要度が違い、3つが均等なウェイト付けにはなっていません。大企業の場合は商品のウェイトがどうしても高くなってしまいますが、中小企業の場合は逆で地域と客層を重視します。ウェイト付けをすれば、地域57%、客層29%、商品14%。どこの誰に売るのかという営業活動の軸になる部分ですから、この2つの設定がよければ、商品は普通であっても、業績を良くすることは十分に可能なのです。このように地域(商圏)の定め方は中小企業にとって大きなウェイトを占めることになります。

 

企業の地域戦略

商品に圧倒的優位性がなければ(仮にあったとしても)、中小企業にとって商圏の設定は重要で、「引合いがあれば、どこでも行く」「出店エリア戦略を定めていない」「移動時間だけで1日の大半を要してしまう営業スタイル」など、経営者が地域戦略を定めてなければ業績の低下は必然です。 大企業にあっても次のような地域戦略を定めています。 1 セブンイレブン/他コンビニを3点攻略法で攻め、地域一番エリアを徐々に広げていきます。所謂ドミナント戦略です。 2 福一不動産/賃貸管理エリアは中洲だけ。中洲で圧倒的シェアを占めます。移動は徒歩か自転車ですみます。営業時間は圧倒的短時間です。 3 コメリ/郊外にのみ出店しています。競争相手はJAで、ターゲット客層は農業を営む人たちです。 4 しまむら/郊外地域にしか出店せず、ユニクロとは一線を画しています。ユニクロとは競争せず、郊外の個人服飾店を攻撃します。

 

重点、中心、範囲

地域戦略は、地域を細分化して、先ず中心エリアを定めます。自社の経営資源でシェア1位を狙えるエリアです。今はまだ1位を取れていなくても、いずれ必ず1位シェアを狙うエリアということです。さらに、中心地域の中においても重点エリアを設定しなければなりません。最後にどこまでを責める範囲とするか、営業を行う最大の範囲です。範囲から外れた地域はビジネスをしないという覚悟が必要です。自社経営資源を中心(重点)エリアに集中して注ぎ、1位有利の法則により業績の確保につなげていきます。 経営者は、どこで(地域)、何を(商品)、誰に(客層)販売するかを繰り返し考えるようにしてください。経営戦略を詳しく学びたい方は、戦略社長塾でお待ちしています。

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