会計は会社を強くする?

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nitta

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帳簿を提出できなかった者は死刑

1670年頃、大不況にあったフランスでは企業倒産が相次いでいました。そこで、倒産防止のため「フランス商事王令」で記帳と決算書作成が義務付けられました。さらに、12条では、「破産時に帳簿を裁判所に提示できなかった者は、死刑に処す」とされています。決算書を作成しないような企業は倒産するのだと思われていたのです。

また、ドイツ会計学者レフソンは、「なぜ、外部に報告する義務がない個人事業者にまで年1回の決算を義務付けているのか?それは自己報告のためである。記帳と年度決算書の作成は、日常の報告のために必要であり、かつ、企業倒産を防止する意図がある。」と述べ、ドイツ税法学者クルーゼ教授は、「だらしない(帳簿の)記帳は破産者の特徴である。」としました。

確かに、現代でも企業再生案件の現場に立ち会いますと、帳簿が不確実で正しい数字に疑問が生じてしまう企業が多いのも事実です。数字予算を立てていない、いきあたりばったりの経営に出会いますと、思わず先の言葉を思い出すこともしばしば。やはり売上目標を立て、利益目標を立て、それをどのように実現するかを考えるのが経営であり、社長の仕事なのだと思います。

 

中小企業の目的は、1位づくり

翻り、ランチェスター戦略から企業の目的を見てみますと、中小企業の経営の目的は「1位づくり」にあるとされています。市場には競争相手があり、競争相手に勝てる市場はどこにあるかを先に考えるのです。 さらに、経営には商品、地域、客層、営業、顧客、組織、資金、時間という8大要因があり、どこの誰に何を売るのか。ここで1位を作ることが何よりも重要であり、ウェイト付けでいえば、会計や資金繰りの経営上での重要度は全体の7%しかありません。 固定費積み上げの売上目標設定を排除し、市場占有率1位を目指した売上目標設定こそが中小企業の経営では重要だとし、その戦略を考えていくことが社長の仕事だとしています。

 

会計は会社を強くする!?

立場が違えば主張も異なってくるでしょう。両者の主張を同じ土俵で正誤を議論することはナンセンスかもしれません。会計帳簿による数字目標も大切ですし、1位づくりの経営目標も大切だと思います。某団体が「会計で会社を強くする!」と宣伝しています。会計で会社を強くする。会計第一主義、否定はしませんが、これも微妙な言い回しかもしれません。

個人的には、企業の1位づくりは大切ですし、そのための選択、差別化、集中は必要です。しかし、やはり数字の目標は持つべきだと思います。「夢」のようなものでも構いません。それがあるから、社長も社員も頑張れる。だからこそ、1位づくりにも邁進できる。そのようなものだと私は考えています。富士山に登るのか、エベレストに登るのかで第1歩が変わるように。 原稿を書いている今、平昌オリンピックが開催されています。メダルの数も増えてきました。昨日は小平選手の金メダルがありました。選手は金メダルという目標があるから頑張れます。企業経営も同じようなものだと思います。

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