事業領域の設定

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nitta

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負けに不思議の負けなし

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」野村克也元プロ野球監督の言葉です。 相手チームとの対戦で不思議と勝利することはあっても、不思議と負けることはない。経営も同じことが言えます。業績のよい理由が見つからないことはあっても、業績が悪いのには必ず理由があります。前号で書いたように、企業の業績を決める要因の86%は、事業領域の設定とその動かし方にあります。

事業領域の設定とは、限られた経営資源のなかで、その企業が「どこの、誰に、何を提供していく」ということを設定することです。事業領域の設定が適切でなければ、いくら戦術で頑張ったとしても、取り戻すことはできません。設定の順番は、先ず地域を決め、次いでその地域のなかでターゲットとする客層を定め、最後にその客層に提供する商品を決めていきます。

 

地域

事業領域の設定の中で地域の重要性は57%のウエイトを占めます。 地域とはいわゆる事業活動の商圏です。商圏を決めるには、情報の収集と分析が必要です。自社の客はどこに集中しているのか。ライバル他社の少ない商圏はどこか。自社が有利な商圏はどこか。これらは3つの情報収集を基に決めていくのがポイントです。

まずは地形です。自然或いは人工的に作り出されたマーケットである山や川、鉄道や道路は、一定の地域に意図的にマーケットを作り出します。次に引力です。人口という量の差が生み出す人を引き付ける力です。人の流れは、郊外から都心へというのが基本的な流れです。人の流れの中でどのエリアを商圏とするかを決めていきます。最後に 競合です。競合他社がどこを商圏としているかです。自社が設定した商圏のなかで空白の集客エリアがあれば、そこは競合他社に負けている商圏かもしれません。再度設定する必要があります。

 

客層

事業領域の設定の中で客層の重要性は29%のウエイトを占めます。 BtoCの関係であれば、個人消費者のセグメントは無限にあります。所得層で購買行動は変わりますし、趣味嗜好、老若男女、独身、既婚、会社員、経営者、などなど多岐にわたるでしょう。それらカテゴリーのなかですべての業種に最も影響を与えるのが、「所得」と「世代」になります。70歳前後の世代の富裕者層と40歳前後の安さを求める層では、伝え方や訴求ポイントは当然大きく変わってきます。地域を決めたらその中で客層を細分化し、どの客層を狙うのかを決めていきます。

 

商品

事業領域の設定の中で商品の重要性は14%のウエイトを占めます。 中小企業の場合、商品力がどれだけあっても、地域と客層の設定が誤っていれば、商品を販売することはできません。逆に地域と客層は、どこの誰に売るのかという営業活動の軸になる部分ですから、この2つの設定がよければ商品は普通でも業績を良くすることは十分可能です。 しかし商品はお客から唯一見えるものであり、それを引き換えに対価を受け取るのですから蔑ろにしてよいというものでもありません。商品の設定の際には、商品を顕在的欲求であるモノと潜在的欲求であるコトに分けて考えることが重要になります。

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