競争という束縛

Facebookでシェアする twitterでつぶやく
Writer
nitta
nitta

地銀総資産首位の横浜銀行と同3位の千葉銀行が包括提携を発表しました。長引く超低金利や人口減少で銀行の経営環境が悪化するなか業界の生き残りをかけたシェア争いが加速しています。提携前の地銀総資産ランキングは次のようになっており、今回の包括提携により1位と3位を合算すると2位の福岡銀行との差は大きく開くことになります。

1位 横浜銀行 総資産16兆8099億円
2位 福岡銀行 総資産16兆7105億円
3位 千葉銀行 総資産14兆8916億円
4位 静岡銀行 総資産11兆8195億円
5位 常陽銀行 総資産10兆5626億円

 

競争という束縛

我々は日常、受験や選挙、戦争や喧嘩、企業間のシェア争いというように、競争という束縛に晒されています。競争という束縛から逃れられない以上、競争に勝つ術を持っている者は強く、その逆は衰退の一途となってしまいます。競争においては勝ち方の法則が存在します。物理の法則であり、占拠率の科学であり、逃れられないランチェスター法則です。ランチェスター法則は、2社間或いは複数間における勝ち方、占拠率を向上させていく戦略の仕組み、あるいは何%とれば安全圏だとかいう目標についての科学的な指標を与え、これに基づく経営を行っている大企業は枚挙に暇がありません。凡そ大企業は目標に売上額を置くのではなく、業界間のシェア率獲得に目標を置いています。

 

占拠率のパターン

市場における占拠率には、パターンが存在します。「分散型」「二大寡占型」「相対的寡占型」「絶対的寡占型」4つです。横浜銀行と千葉銀行が包括提携するまでのシェア争いはほぼ団子状態。つまり、「分散型」の状態でした。分散型はそれぞれの力関係がどれをとってもルート3以内の状態をいい、1位のシェアといえどもシェア率は25%以下となっているのが特徴です。1位は2位を、2位は3位を足元の敵を見做している状態です。市場において、「絶対的寡占型」となるには1位はシェア40%が必要となり、40%をとると2位と3位の間で競争が一段と激しくなり、1位は利益効率が格段に良くなり、絶対的寡占型へと走り始めることとなります。

今回の包括業務提携により、横浜銀行と千葉銀行は市場におけるシェア47%を一気につかみ、2位との差は2.25倍となり、絶対的1位の要件である「2位以下に1.73倍の差」をはるかに超えることとなりました。

 

法則性

占拠率の4つのパターン変動には法則性があります。一般的には、「分散型」「二大寡占型」「相対的寡占型」「絶対的寡占型」の順でパターン推移していくこととなります。その間、2位はジグザグ上下しながら次第に落ちていき、3位は上がり下がりを繰返しながら微増、4位は殆ど横ばいで、5位は1位が40%の大台に乗る頃に途中から脱落、結局1位だけが次第にシェアを伸ばしていくこととなります。

地銀は上5行だけではありませんが、便宜上5行間でシェア争いが行われていると仮定して書かせていただきました。銀行は地銀だけではなく都市銀行も存在します。1位となった横浜銀行と千葉銀行を合算しても都市銀行の数字には及ばないでしょう。ここにランチェスター法則の肝があります。それは、「あるカテゴリーにおいての1位」だということです。

 

2020年1月1日/ 新田 哲也

合わせて読みたいコラム

お問合せ

お電話でのお問合せはこちら

0120-743-745
お問合せ受付時間 : 8:30 〜 17:30

WEBでのお問合せはこちら

ご予約いただければ、ZOOM、LINEなど
オンライン相談も可能です!
ご相談の流れ・お問合せ