上善如水

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Writer
nitta

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上善如水

経営哲学を身に着けるべく、個々の人々に備わっている20の特性「ガイアコード」について学んでいます。「ガイアコード」とは、言葉を換えれば先天的才力です。もともとその人に備わっている才力を活かして生きることができれば気力は充実し元気となり、才力を活かしきれてなければ滅気、病気という気の病に陥ってしまうそうです。 私は、一白水性(星)。その特性の上位にくるのが「上善如水」です。柔和で柔軟な心を持ち、水のようにいかなる環境や職場にも適応できる特性が元々備わっているとのこと。これを活かせば自分に与えられた才力を活かしきれているということですが、さてどうでしょう。 「上善如水」とは、老子が説いた言葉です。上善とは、最も理想的な生き方。その意味するところは、姿かたちにとらわれることなく様々な形に変化していき、周りに合わせることができる柔軟性を持っていながらも、その特性や性質を失うことがない。時に静かに、時に激しく、清濁併せ飲むといったところでしょうか。

 

実を避けて虚を撃つ

中国の代表的な兵法書「孫子の兵法」においても、虚実篇において「上善水如」の考え方が説かれています。 戦争戦隊の神髄は、敵にこちらの動きを察知させず、且つ敵の態勢に柔軟に応じて無限に変化することにあると書かれています。つまりは戦争体制は、その理想の在り方を水の流れに求めているのです。水の流れは、こだわらず、偏らず、自然の運動法則に抗うことなく素直に流れていきます。この考えを経営に置き換えていけば、私たちは次の2点において学ぶことができます。

ひとつは、水が自然の運動法則に従って流れていくがごとく、経営も無理をせずに原理原則に従って運営していけば失敗することは限りなく少なくなるということです。やっていはいけないことに取組んだり、原理原則に逆らって戦略なき戦術に急いでしまっては、経営の悪化は免れることはできないでしょう。

次に、実を避けて虚を撃つ、という考え方です。水は高いところから低いところに流れていきます。「孫子の兵法」では、戦も戦力のある充実した敵を避けて相手の弱点や手薄な箇所をついていくべきだと説きます。経営に置き換えるならば、自社よりも優位な競争相手、或いは自社では勝てない領域に向かって経営資源を投入するのではなく、競争相手が弱いところ或いは競争相手の少ない手薄な箇所を攻め、少しずつその領域を広げていくということが大切だということを学ぶことができるでしょう。

 

水五訓

NHKの大河ドラマで有名になった「軍師官兵衛」。戦国時代、豊臣秀吉の知恵袋といわれた人物です。彼も水の特性について、「水五訓」という言葉を残しています。 1 自ら活動して他を動かしむるは水なり 2 常に己の進路を求めて止まざるは水なり 3 障害にあい激しくその勢力を百倍し得るは水 なり 4 自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るる は水なり 5 洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり 雲となり雨となり雪と変じ霰(あられ)と 化し凝(ぎょう)しては玲瓏(れいろう) たる鏡となりたえるも其(その)性を失はざるは水なり いかがでしょう。

「上善水如」をはじめ、水には、戦においても経営においても、そして人生哲学上も大いに学びを与えてくれます。

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