グロービス経営大学院の講師に勧められました。
人を伸ばすためには、おそらく自分も含めて、
必要なことは、次の3つ。
1自律性の支援
2有能感
3内発
逆に、金銭や統制では動いて(伸びて)いかないと。
寧ろ後のような外発的動機づけは、
内発的動機づけを低下させていくと述べられています。
選択の機会を提供すること、
それは広い意味で人の自律性を支えるための主要な条件なんですね。
読むのに時間かかりましたが、
それだけ価値のある本でした。
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以下、個人メモ
統制はそれ自体が人間を疎外する。しかし統制が有効に使われない場合には、人々に無気力と目的意識の喪失をもたらし、悲惨な結果を生んでしまう。このことは、全体主義政権の例を見れば明らかである。 81P
自律性を支援することには相手の立場に立つことが含まれているからである。相手の視点から考えることによって、何がもっとも彼らに適しているかを理解することができる。最終的には有能さと自律性の両方の感覚を感じることができるような挑戦の機会を提供することによって、生命力、動機づけ、満足感を促進することになる。 96P
もしあなたが彼らに対して統制しようとし、評価しようとするならば、彼らは防衛的になり、はぐらかそうとし、多分他人を責めもするだろう。あるいは、他人を責めるよりも必要以上に自分を卑下するかもしれない。どちらの反応にしても、生産的な問題解決や望ましい成果を生み出すものではない。 よい問題解決や成果を生み出すためには、内発的に動機づけられる必要がある。それはまず、前に述べたように、行動と結果を結びつける仕組みが出発点になる。望ましい結果をどうやって達成したらよいかが理解されねばならない。また、その手段的活動に対して有能感を感じることである。さらに、内発的動機づけは人の自律性を支えるような対人的な文脈において促進される。このような重要な構成要素が揃うことによって、人は自分自身の目標を設定し、自ら自己評価の基準を定め、自己の成長をチェックし、目標を達成するだろう。そうすることは、彼ら自身のためだけでなく、彼らが所属する集団や組織のためにも寄与するのである。 99P
内発的に動機づけられるためには、自分が有能であり、自律的であると自分自身で認識している必要がある。効果的に行動する能力をもち、自己決定できると自分自身で実感している必要がある。 117P
われわれのほんとうの仕事は、彼らが自分自身の意志で自主的に活動に取り組むよう促すことであり、それによって将来、われわれが側についていて援助の手をさしのべなくても、彼らが自由に活動できるようにすることである。 124P
困難な状況を克服するためには、自分の自我関与に関心を寄せ、自分が捕らわれているものを探り始めることが必要である。そうすることで、自分に対してそのようにプレッシャーをかけ統制する必要があるのかを自問することができる。自我関与を探ることで、反動的にならず、統制されず、無力にならない方法を見いだすことができる。自我関与と、それがどのように自分の刺激の解釈に影響しているのかを探ることにより、感情を抑圧せずに、調整する能力を得ることができ、より自律的になることができる。 259-260P
すなわち、真の自律性は、他者への尊重を忘れない。すぐにまわりの人々を支配し始める人は、明らかに、何らかの内的あるいは外的な力によって圧力をかけられていると感じており、他者を統制しようとする試みは、単にその圧力の現れにすぎない。人人が自律的であるならば、すぐさま周囲の環境を変えようとする前に、それを受容することからはじめるだろう。 279-280P