中小企業白書によれば、創業・開業準備期間中の苦労で最も高いものは、「開業資金の調達」となっています。次順位の「質の高い人材の確保」を大きく引き離しており、創業者にとっては、クリアしなければならない代表的な悩みの一つとなっています。
開業資金を考えるにあたって忘れてはならないのが、開業資金には、開業前に必要な「開業資金」と開業後に必要な「運転資金」の2つを考える必要があるということです。ついつい開業する際に必要な「開業資金」ばかりを考えがちですが、開業後、事業が軌道に乗るまでの必要経費や自身の生活費などの「運転資金」も考慮し、これをしっかりと確保しておくことが必要です。開業数ヶ月後に資金が底を尽きたということは、避けなければなりません。
逆にいえば、事業が軌道に乗り、資金が安定してくるまでの「運転資金」を確保できないようであれば、もう一度事業プランそのものを見直す必要があります。「開業資金」を減額してでも「運転資金」を確保することのほうが重要です。
「運転資金」を含めたところでの開業資金を算出し終えたら、次にその資金をどこから調達するのかを考えます。先ずは、自己資金。全額自己資金が理想ですが、この開業資金の半分、最低でも3分の1は用意したいところです。3分の1というラインは、金融機関の融資の際の条件となるケースもあります。この額の自己資金の確保ができなければ、しっかりと確保してから独立すべきだと考えます。