令和3年度税制改正大綱

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nitta

令和2年12月10日に、「令和3年度税制改正大綱」が与党より公表されました。

税制改正は、その時々に国に求められている経済社会のあり方に密接に関連するものです。どのような改正が予定されているかを知ることで、我々の暮らし、企業の在り方、将来動向に役立てられると思います。コラムでは2回にわたり主な改正論点の内容をご紹介します。

 

目次

教育資金贈与非課税措置の見直し

30歳未満の方が自身の教育資金に充てるため金融機関等との契約に基づき、父母や祖父母などから贈与を受けた場合には、1500万円までの金額について、取扱金融機関の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより、贈与税が非課税となる制度があります。

 

従来は、父母や祖父母の贈与者が死亡した時において、贈与した金額のうち教育資金として費消していない管理残額(非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額)がある場合には、贈与者の死亡前3年以内に係る贈与金額は相続税の対象とされていましたが、今回の改正では、死亡の日までの年数にかわらず訴求してすべての贈与に係る管理残額が相続税の対象とみなされることになりました。ただし、受贈者が下記のいずれかに該当する場合は今迄同様対象外です。

①23歳未満である場合
②学校等に在学している場合
③教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合

また、受贈者が贈与者の子以外の直系卑属の場合にも2割加算の適用はありませんでしたが、今後は全て贈与に係る管理残額を相続税の対象とし、且つ、2割加算が適用されることになっています。

 

結婚子育て資金の贈与非課税措置の見直し

20歳以上50歳未満の方が結婚・子育て資金に充てるため、金融機関等との契約に基づき、父母や祖父母などから贈与を受けた場合に1000万円までの金額については、取扱金融機関の営業所等を経由して結婚・子育て資金非課税申告書を提出することにより贈与税が非課税となる制度があります。

改正内容としては、贈与者が死亡した時に贈与資金のうちに結婚・子育て資金として費消されていない残額を相続税の対象とする場合において、受贈者が贈与者の子以外の直系卑属の場合にも2割加算の適用はありませんでしたが、今後は贈与に係る残額を相続税の対象とし、且つ、2割加算が適用されることになっています。また、受贈者の年齢要件の下限が18歳以上(現行20歳以上)に引き下げられました。

 

退職所得課税の適正化

現在会社の従業員が退職金の支給を受けた場合には、給与所得と比較すると課税の面で優遇されています。具体的には、支給を受けた金額から勤続年数に応じた退職所得控除額を控除し、その控除された金額の2分の1の金額に所得課税されていました。

今回の改正では、このような退職所得課税における2分の1課税は、退職所得が長期にわたる勤務の結果生ずるものであり、勤務の対価の一部が蓄積して一挙に支払われるものであることに配慮し、法人役員等以外の従業員についても勤続年数5年以下の短期の退職金については、2分の1課税の適用から除外されます。ただし、雇用の流動化等に配慮し、退職所得控除額を除いた支払額300万円までは引き続き2分の1課税が適用されます。

 

 

2021年1月1日 新田哲也

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