QCDのレベル感
「商品の適正在庫量はいくらですか?」「譲れない品質のレベルは?」
「受注から納品までの期間は?」「生産もしくは仕入のコストは?」。
これらは会社がサプライチェーンマネジメントを考えるにあたり、考慮しなければならないQCDについての問いです。
Qは品質(Quality)、Cはコスト(Cost)、Dはスピード(Delivery)です。
事業戦略の要請を受け、全てのQCDのアウトプットレベルを高めていけるのならそれに越したことはありませんが、それは簡単なことではありません。
なぜなら、QCDは一つの要素を向上させれば他の要素を低下させるトレードオフの関係にあるからです。
例えば、製造コストを抑制しようと思えば品質の向上をあきらめざるを得なくなり、受注から納品までのスピードを求めれば、製品のカスタマイズの向上は難しくなります。
この関係を理解していないと、品質を高めるため、或いは、納期を早めるためにコストが高くなってしまい、結局お客様の不満につながることになりかねません。
このような環境の中では、まず必ず守るべき品質レベルが何かを特定する必要があります。
そもそも一定の品質を達成できなければ、定めた戦略の要請に応えられないばかりか、ビジネスとして戦うことができなくなります。
そのうえでサプライチェーン上の残りの要素の効率的な議論が可能となってくるのです。