お疲れさまです。熊本の税理士新田です。
中小企業政策審議会企業力強化部会‐中間取りまとめ
読んでると、重要なポイントが沢山出てきます。
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1.経営支援の担い手の多様化・活性化/中小企業金融
(1)現状と課題
①中小企業に対する経営支援
戦略的経営力の強化でとりわけ必要なのが、財務基盤の強化であり、そのための資金調達である。その際、金融と経営支援の一体的取組を推進していくことが重要であるが、その前提として、中小企業が自らの経営状況を把握し、金融機関への資金繰り等の説明を的確に行っていくことが不可欠である。
しかし、中小企業の約7割が経理担当者を配置していない、又は1名以下の配置となっており、また、中小企業の約8割が会計専門家に財務諸表の作成を外注している状況となっているなど、中小企業の会計に対する知識・体制が十分でなく、自らの経営状況の把握や金融機関への説明力が課題となっている。
一方、金融機関側に着目してみると、民間金融機関の預金残高が増える一方で、預貸率は長期的に低落傾向となっており、民間金融機関の貸出し機能の強化を図る必要がある。また、地域金融機関による経営支援は、金利以外の面で差別化が図れる重要な要素となっているものの、現状においては、単に「コストセンター」と評価されている場合が多い。地域金融機関が金融支援だけでなく、効果的な経営支援を行っていくためには、目利き機能も含め、人材確保や外部支援機関との連携、ネットワークの構築等が求められるが、十分なレベルに達しているとは言えない状況となっている。他方で、既存の支援機関も、財務的側面での経営支援ノウハウがあるとは必ずしも言い難い。
従って、中小企業の経営力向上には、能力とやる気のある地域金融機関や税理士事務所等を支援機関として取り込むなど、経営支援の担い手の多様化、支援能力の向上を図ることが重要である。他方、中小企業が抱える高度・専門的な経営課題に対応できる支援人材が不足しており、市場分析やメディアの活用ができ、支援ネットワークを持った実践的な支援人材の育成が課題となっている。
③中小企業の財務経営力の強化
中小企業に会計の定着を図り、会計の活用を通じた経営力の向上を図ることに加え、決算書の信頼性を確保して、資金調達力の向上を促進させることが重要である。そのためには記帳能力など中小企業の実態に即した会計ルールの整備、政策金融における会計の活用や期中管理(経営計画や資金計画の作成等)体制の定着、及び金融機関に対する説明能力の向上支援、ITクラウドによる高度な財務・経営データを活用した地域金融機関との関係構築支援を図るべきである。