芸人のブランディング

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Writer
nitta

話し方、聞き方、笑いの取り方、空気のつくり方...。お笑い芸人の技術力って素人と比べると比較にならないほど長けていますよね。さすがプロフェッショナルだなと思います。同じ言葉を発しても、片方は笑いが取れ、片方は反応がない...。この違い、いつかその肝を勉強したいなって思っています。先日NHKの番組「芸人先生」でアンジャッシュ、特に渡部さんが自身の経験を踏まえて大手航空会社の社員に「ブランディング」について講座をしていました。航空会社の社員の皆さんが熱心に2人の話に耳を傾けメモをとっている様子が印象的でした。ランチェスター法則と繋がることがあったので少し内容をご紹介いたします。

 

目次

高校野球で1点突破

テレビ番組の高校野球大好き芸人でよく取り上げられる渡部さん。以前から大の「スポーツ好き」だったそうですが、なかなかスポーツ番組やスポーツの仕事が依頼されることはなかったそうです。そこで当初は「高校野球」に特化して売込んでいったとのこと。周囲に、「高校野球は紅白戦、練習試合、練習まで見に行きます!」と豪語。「アメトーク」で話される過去の大会や選手の話題にも実際とても詳しいですね。依頼側は「そんなに渡部が高校野球のことに熱を入れているのならプロ野球のキャンプに行って取材をしてもらおうか」と。で、プロ野球のキャンプに行って野球好きのイメージがついてくると、今度はスポーツ全体の番組を任せてみようかと次々に仕事が舞込んでくるようになったとのことでした。ランチェスター戦略でいう「一点突破」若しくは「各個撃破主義」ですね。恐らく、最初から「私はスポーツ全般が好きです」では、数多くの芸人(芸能人)のなかでは目立っていなかったと思いますし、今ほど認知されていなかったでしょうね。

 

漁港すしで1点突破

渡部さんは大の「お寿司好き」だそうです。しかしこれも同様、「食べモノが好き」は芸能人のなかには沢山います。きっと、「お寿司好き」で売出し、日本各地の名店を食べ歩いたことのある人たちも少なくはないでしょう。そこで彼が考えたのが、「漁港寿司」だそうです。「日本全国、漁港に行って、漁師さんが食べている食堂だったり、とれたてのものを握ってくれるお寿司屋さんを回るのが趣味なんですよ~!」とあちらこちらで言ってたら、有名なグルメ雑誌で記事を書いてみないかというところから、「渡部の漁港寿司巡り」というのが始まって、渡部ってそんなに食べ物のために全国熱心に行くんだなっていうブランディングができたとのこと(笑)そうなると、漁港寿司だけではなく、お寿司、そしてイタリアンやフレンチまで食べ物全般について語らせてみよう、、、というように仕事が舞い込んでくるようになった。これもそうですね、いきなり「私、料理に詳しく、グルメです」では今の地位にはたどり着いていないだろうと思います。

 

掘り下げる

「ブランディング」は、企業にとって長期的な戦略になります。長い時間をかけ作り出したブランドのイメージ。「○○といえば○○」。この認知が拡がれば拡がるほど、短期的なプロモーションやマーケティングは有利になってきます。アンジャッシュの例に出てきたように、はじめから大きなところを狙っていくのではなく、一点突破でイメージをつくり、次第に広げていくことが肝要です。掘下げて掘下げて掘下げてみる...。まずはそこからブランディングを始めてみませんか。

 

2019年11月1日/ 新田 哲也

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